分厚い本が枕になっている。読み切れないのは根気の問題ではなく、読み方の設計がないからです。冒頭の越え方、一日の分量の決め方、止まった本の扱いまで、仕組みで解決する方法をまとめました。
買ったときは読む気に満ちていた分厚い本が、机の端で埃をかぶっている。栞は序盤で止まったまま。そんな本が何冊も積み上がると、読書そのものが気の重い行為になっていきます。読み切れない原因は、集中力や根気より、読み進める手順を決めていないことにあります。
この記事でわかること
- 分厚い本の冒頭でつまずく理由と、その越え方
- 一日の分量とやめどきの決め方
- 内容が頭に入らないときの読み方の切り替え
- 読み終えた本を忘れずに残す最小限の記録法
前提として、すべての本を最後まで読む必要はありません。読み切る価値がある本を選び、その本に合った読み方をあてるのが本題です。
こんな人に向いています
- 積読が増えて、次の本を買う気になれない人
- 専門書や古典に手を出したが、途中で止まっている人
- 通勤や隙間時間を読書にあてたい人
- 読んだ内容がすぐ抜けてしまうと感じている人
冒頭が重いのは本の構造のせい
長い本の前半は、前提の説明や人物の紹介に紙数が割かれます。まだ面白さが立ち上がっていない場所を、いちばん体力のない平日の夜に読もうとするから止まるのです。
- 最初のひと区切りだけは、まとまった時間を確保して越える
- 目次と序文を先に読み、この本が何をしようとしているか把握する
- 訳書なら解説や後書きを先に読んでも構わない。地図があると迷いにくい
分量は「物足りない」ところで決める
ノルマは達成できる大きさにするのが原則です。多めに設定すると、一度崩れた時点で再開の壁が高くなります。
- 総ページ数を、読み終えたい日数で割って一日分を出す
- 出た数字を、さらに少し減らす。余裕が続ける力になる
- 区切りは章ではなくページ数にする。章の長さは揃っていないため
- 予備日を週に一日入れておく。読めない日があっても計画が壊れない
既にある習慣に読書をくっつける
新しい時間を作るより、決まった行動の直後に差し込むほうが定着するとされています。
- 電車に乗ったら開く、昼食後の数分だけ開く、歯磨きのあとに開く
- 場所も固定する。同じ椅子に座ると切り替えが早い
- 端末の通知が届く場所に本を置かない
- 持ち歩けない厚さなら、同じ内容の電子版を併用する手もある
全部を理解しようとしない
分からない箇所で立ち止まる習慣が、読み切れない最大の原因になることがあります。
- 分からない箇所には印だけ付け、先に進む。後半で解ける場合が多い
- 専門書は、各章の見出しと結論を先に拾い、全体像をつかんでから本文へ
- 物語は細部より流れを追う。人物が混乱したら名前のメモを一枚作る
- 二度読む前提にすると、一度目の負担がぐっと下がる
止まった本の扱いを決めておく
止まった本をそのままにすると、他の本を読む気力まで奪います。判断の基準を先に作ります。
- 三度目の再開でも進まない本は、いったん棚に戻す
- 読む必要があるなら、要約や入門書で外側から入り直す
- 手放す判断も含めて考える。積読の山が減ると読書は軽くなる
読み終えたら一行だけ残す
内容が抜けるのは記憶力の問題ではなく、出力していないためだといわれます。長い感想は要りません。
- 印象に残った一文と、そのページ番号だけ書く
- 自分にとって何が変わったかを一行で書く
- 人に話す。話すと残る部分と抜ける部分がはっきりする
記録の目的は保存ではなく、次に思い出せる手がかりを作ることです。
注意したい点
- 速読の技術は目的によって向き不向きがあります。味わう本には合いません
- 記録を作ること自体が負担になるなら、記録はやめてよい
- 借りた本は期限があるぶん進みやすい反面、焦って読み飛ばすこともある
よくある質問
Q. 何冊か並行して読むのは避けるべきですか
種類が違えば並行は有効とされています。難しい本と軽い本を組み合わせると、疲れた日でも読書が途切れません。同じ分野の重い本を複数同時に開くと混ざりやすいので、そこだけ注意します。
Q. 電子書籍と紙のどちらが読み切りやすいですか
人によります。残りの厚みが目で分かる紙が進みやすい人と、持ち運びやすさで電子が続く人がいます。同じ本を両方で持ち、場所によって使い分ける方法もあります。
Q. 途中でやめた本は失敗ですか
そうとは言えません。合わないと分かったことも収穫です。読む必要が残るなら時期を変えて再挑戦すればよく、棚に戻すこと自体は損ではありません。
まとめ
- 冒頭のひと区切りだけは、まとまった時間で一気に越える
- 一日の分量は物足りない量にし、既存の習慣に読書をくっつける
- 分からない箇所は印だけ付けて進み、読了後は一行だけ残す