フローリングの傷は、深さによって直し方がまったく違います。見分け方を間違えると悪化します。浅い傷、木地まで届いた傷、凹みの三種類に分けた対処と、手を出さないほうがよい場合を解説します。
椅子を引いたときについた細い線。荷物を落としてできた白い傷。家具の脚がめり込んで残った凹み。フローリングの傷はどれも似て見えますが、直し方は同じではありません。浅い傷に深い傷の方法を使えば余計に目立ち、深い傷を軽く磨けば周囲だけがつやを失います。最初にやるべきは、補修ではなく見分けることです。
この記事でわかること
- 傷を三種類に見分ける方法
- 表面だけの浅い傷への対処
- 木地まで届いた傷を埋める手順
- 凹み傷の考え方と、使える条件
- 自分で直さないほうがよい場合
こんな人に向いています
- 目立つ傷を見つけて、どう直すか迷っている人
- 賃貸に住んでいて、退去時の扱いが気になる人
- 小さな傷が増えてきて、予防に切り替えたい人
前提として、住宅の床材には、木の板そのものを使ったものと、薄い化粧層を表面に貼ったものがあります。後者は表面の層が非常に薄いため、削る作業が下地を露出させる原因になります。自宅の床がどちらなのかを、管理会社や施工業者に確認してから作業するほうが安全です。
傷を三種類に見分ける
明るい場所で、斜めから光を当てて観察します。見た目で分類できます。
- 白っぽく線状に見える。表面の塗膜や仕上げ層だけの浅い傷
- 色が濃く、指でなぞると引っかかる。木地まで届いた傷
- 光の反射がゆがみ、面が沈んでいる。凹み傷
濡らしたティッシュを軽く当てて色が濃く出るなら、表面より深く達している可能性があります。
表面だけの浅い傷
この段階なら、目立たなくする方法がいくつかあります。
- 床用のつや出し剤やワックスを、傷を含む一面にまんべんなく塗る
- 部分的に塗ると、そこだけ光り方が変わって逆に目立つ
- 色の付いた補修用のペンを使う場合は、目立たない場所で色味を試してから
- 削る作業は避ける。表面層が薄い床材では、下地が出てしまうことがある
木地まで届いた傷
溝を埋めるタイプの補修材を使います。手順を守れば、離れて見て気にならない程度にはできます。
- まず周囲のほこりと汚れを落とし、完全に乾かす
- 床の色より少し明るめの補修材を選ぶ。濃いと傷が黒い線に見える
- はみ出しを最小限にして充填し、指定された時間しっかり固める
- 余分は、平らな道具で床面と同じ高さにならす
- 広い傷や複数の傷がある場合は、板ごとの交換を検討するほうが仕上がりは良い
凹み傷の考え方
無垢の木材であれば、湿らせて熱を加えることで繊維が戻り、目立たなくなる場合があります。ただし条件があります。
- 使えるのは、木そのものでできた床で、浅い凹みに限られる
- 表面に薄い化粧層を貼った床材では、はがれや変色の原因になり得る
- 熱と水は、周囲の仕上げにも影響する。試すなら目立たない場所から
自分で直さないほうがよい場合
- 床材の種類が分からない、確認できない
- 傷が広い、数が多い、板の継ぎ目が浮いている
- 水が染みた跡がある、踏むとたわむ
- 賃貸で、退去時の精算に関わる可能性がある
増やさないための予防
補修より効果が高いのは、傷をつくらない工夫です。特に効くのは、動かす物の足元を変えることです。
- 椅子やテーブルの脚に、床を傷めにくい保護材を貼る
- 掃除機やキャスター付きの家具は、引きずらず持ち上げて移動する
- 玄関と部屋の入口に、砂を落とすためのマットを置く
- こぼれた水分は、その場で拭き取る。染み込むと色が変わることがある
賃貸の場合、通常の生活でつく程度の傷と、そうでない傷では扱いが異なるとされています。自己流の補修がかえって不利になることもあるため、大きな傷は先に管理会社へ相談するのが安全です。
よくある質問
Q. 補修材の色が合わないときはどうしますか
複数の色を少量ずつ混ぜて調整する方法があります。ただし一度固まると修正しにくいため、必ず目立たない場所で試してから本番に入ってください。
Q. 家具を置けば隠せますか
見えなくはなりますが、湿気がこもって別の傷みにつながることがあります。応急処置として考え、時期を見て対処するほうがよいでしょう。
Q. ワックスは全面に塗り直すべきですか
部分的に塗ると光沢の差が出やすいため、可能なら一部屋単位で塗るほうが自然に仕上がります。床材によってはワックスが適さない場合もあるので、事前の確認が必要です。
まとめ
- まず斜めからの光で、浅い傷、深い傷、凹みのどれかを見分ける
- 表面の傷は一面で仕上げ、深い傷は明るめの補修材で埋める
- 床材が不明、傷が広い、賃貸の場合は自己判断せず相談する