習慣が続かないのは意志の弱さではなく始め方の設計だ、という見方があります。毎日やる行動に「ついで」でくっつける組み立て方、笑えるほど小さく始めるコツ、崩れたときの戻し方と記録の付け方まで整理しました。
決めたことが三日で終わってしまう。続かないのは意志が弱いからではなく、始め方の設計が足りないだけ、という見方があります。やる気は日によって上下するものなので、やる気を前提に組み立てた計画は、気分が落ちた日に止まってしまうのです。
そこで役に立つのが、すでに毎日やっている行動に新しい行動を「ついで」でくっつける考え方です。きっかけがもともと生活の中にあるため、思い出す手間がなくなり、定着しやすくなるとされています。歯を磨く、着替える、湯を沸かす、玄関を出る。こうした動作はすでに自動で起きているので、そこに乗せるわけです。
この記事では、組み立て方、続く大きさへの削り方、崩れたときの戻し方、記録とふりかえりまでを順に紹介します。どれも道具を増やさず、紙とペンだけで始められる内容です。
この記事でわかること
- 「ついで習慣」の組み立て方と、きっかけの選び方
- 続く大きさまでノルマを削る具体的な手順
- 途切れたときに戻すための考え方と手当て
- 記録を簡単に保ち、月ごとに見直す進め方
こんな人に向いています
- 何度も習慣化に失敗している方
- やる気に頼るのをやめたい方
- 運動や勉強を短時間でも続けたい方
- 記録を細かくつけるのが苦手な方
ついで習慣の組み立て方
- 「○○したら、△△する」の一文に落とし込み、紙に書いて見える場所に貼る
- きっかけは毎日必ずやる行動から選ぶ。歯磨き、着替え、湯を沸かす、玄関を出るなど
- 新しい行動は、きっかけの直後に無理なく入る内容にする
- 一度に増やすのはひとつだけ。定着してから次を足す
一文にする意味は、曖昧さをなくすことにあります。「運動する」ではいつやるのかが決まらないため、行動に移る前のひと手間で止まりやすいとされています。きっかけと行動が一本の線でつながると、迷う場面そのものが消えていきます。
続く大きさに削るコツ
- 最初のノルマは笑えるほど小さく。腕立てをひと動作、本をひと目分、机の上をさっと片づける程度
- やり始めて余力があれば続けてよいが、ノルマそのものは増やさない
- ごく短い時間で終わらないものは、さらに小さく分ける
- 道具の準備まで前の行動に組み込み、始めるまでの手数を減らす
ノルマを小さくするのは、手を抜くためではありません。「今日はできなかった」という日をつくらないためです。達成が当たり前になると、やること自体への抵抗が薄れていくとされています。
崩れたときの戻し方
- 一日抜けても気にしない。二日続けて抜けないことだけを守る
- 抜けた原因を場所・時間・体調のどれかで振り返り、きっかけを変える
- 旅行や繁忙期に備えて「最小版」を決めておくと、完全に途切れにくい
- 戻すときは元の大きさに戻さず、いちばん小さい形から再開する
途切れそのものより、途切れたあとに再開しないことのほうが痛手になると言われています。再開のハードルを下げておくのが、長く続けるうえでの保険になります。
記録とふりかえり
- 記録はできた日に印をつけるだけ。できなかった日に×はつけない
- 印が並ぶこと自体が、続けたい気持ちを支えてくれるとされる
- 月に一度、続いているものと合わないものを見直す
- 合わないものは思い切ってやめ、枠を空ける
記録を細かくすると、記録そのものが負担になって先に途切れます。印をつけるだけという軽さが、記録を続けさせてくれます。
環境を整える
やりたい行動は目につくところに、やめたい行動は手間のかかるところに置く。この入れ替えだけでも行動は変わるとされています。読みたい本を机の上に出しておく、使う道具を前夜に並べておく。どれも意志ではなく配置で解決する工夫です。
宣言して人に見られる状態にするのが合う人もいますが、負担に感じるなら無理に取り入れる必要はありません。自分に合う仕掛けを一つ選べば十分です。
注意したいこと
- きっかけに選ぶ行動が不安定だと、習慣も不安定になります。毎日必ずやる行動から選んでください
- 一度に複数を始めると、どれも定着しないことがあるとされています
- ノルマを早く増やしたくなりますが、増やした直後に途切れる例が多いと言われています
- 記録アプリや道具を増やすと、その管理が負担になることがあります
- 体調や睡眠に関わる内容で不安があるときは、自己流で進めず専門家にご相談ください
よくある質問
Q. どのくらいで習慣になりますか
定着までの期間は人によって、また行動の内容によって大きく違うとされています。
期間を目標にすると、達していないことばかりが気になりやすいようです。
「きっかけが来たら自然に手が動く」状態を目安にするほうが実感しやすいでしょう。
日数を数えるより、印が並んでいるかを見るのがおすすめです。
Q. ノルマが小さすぎて意味がない気がします
小さいノルマの役割は、効果を出すことよりも途切れさせないことにあります。
始めてしまえば余力のある日は自然と長く続くため、実際の量は増えていくとされています。
ノルマを増やすと、できない日が生まれて止まりやすくなります。
量は結果として伸びるものと考え、ノルマは据え置くのが無難です。
Q. きっかけが見つからないときはどうすればよいですか
一日の動作を朝から順に書き出すと、毎日必ずやっている行動が見えてきます。
顔を洗う、着替える、鍵を持つなど、意識せずやっていることが候補になります。
時間帯で決めるより、行動で決めたほうがずれにくいとされています。
候補が複数あるときは、気分に左右されにくいものを選んでください。
Q. 続いたあとはどうすればよいですか
定着した習慣の直後に次の行動をつなげると、まとまった流れとして束ねられます。
朝の支度や帰宅後の時間が、いくつかの習慣の連なりになっていきます。
ただし一度に長くつなげると崩れやすいため、ひとつずつ足してください。
月ごとの見直しで、合わなくなったものは外していくとよいでしょう。
まとめ
- 毎日必ずやる行動をきっかけにすると、思い出す手間がなくなります
- ノルマは笑えるほど小さく始め、できない日をつくらないことを優先します
- 続かないときは、やる気ではなく設計と配置を変えてみてください
※制度や商品の内容は変わることがあります。最新情報は公式サイト等でご確認ください。