TOEICは英語力だけでなく、形式への慣れと時間配分で点が動きます。3か月を1か月ごとに区切り、現状把握から本番形式の仕上げまで、何を優先するかを順に整理しました。
参考書を何冊も買ったのに、どれも途中で止まっている。問題を解いてはいるが、点が伸びている実感がない。TOEICの対策でつまずく人は、教材の質ではなく、順番と時間配分でつまずいていることが多いものです。
この試験は出題の形が決まっています。同じ英語力でも、形式に慣れているかどうかで結果が変わるとされており、慣れの部分は短期間でも詰められます。逆に語彙や文法の土台は時間がかかります。この二つを同じ扱いで進めると、どちらも中途半端になります。
3か月という区切りで考えるなら、前半で土台、中盤で速度、後半で本番の形に寄せる。この順を崩さないことが鍵になります。
この記事でわかること
- 対策を始める前にやる現状把握のしかた
- リスニングとリーディングの構成と、伸ばしやすい部分
- 1か月ごとに何を優先するかの組み立て
- 時間が足りなくなる原因と、その対処
こんな人に向いています
- 受験の予定があり、残り時間が3か月前後の人
- 問題を解いているのに点が動かない人
- 最後まで解き終わらずに時間切れになる人
- 何から手をつけるか決められず、教材が増えてしまった人
最初の1週間は「測る」ことに使う
勉強を始める前に、今どこで落としているかを数えます。これをしないと、得意な分野をさらに磨く時間の使い方になりがちです。
- 公式に近い形式の問題を、時間を計って通しで解く
- パートごとに、正答数と空欄のまま残した数を分けて記録する
- 間違いを「知らなかった」「読み違えた」「時間が足りなかった」に分類する
分類が重要です。知らなかったものは覚える問題、読み違えたものは精度の問題、時間が足りなかったものは配分の問題で、対処がまったく違います。
試験の構成と、手をつける順番
TOEICのリスニングは4つのパート、リーディングは3つのパートに分かれています。短い音声や短文から始まり、後半ほど長い素材になる構成です。
- リスニングは、短い応答を選ぶ形式が差のつきやすい部分とされています
- リーディングの前半は短文の空所補充で、形から判断できる問題が多く含まれます
- リーディングの後半は長文で、時間を使い切ってしまう人が最も多い場所です
伸ばしやすいのは、短い素材のパートです。1問あたりにかかる時間が短く、繰り返しの回数を稼げるため、同じ学習時間でも手応えが出やすくなります。
1か月目 — 土台を作る
この時期は点数を気にせず、材料をそろえます。
- 頻出の語彙を、毎日少しずつ。まとめて長時間より、短く毎日のほうが残りやすいとされています
- 文法は項目を網羅せず、短文の空所補充で狙われる型に絞る
- リスニングは、短い音声を「聞く→文字で確認→もう一度聞く」の順で回す
- 1日の学習を、語彙・文法・リスニングの3つに分けて短時間ずつ置く
聞き取れなかった箇所は、文字で確認したときに「知らない単語だったのか、知っているのに音が結びつかなかったのか」を切り分けます。後者は音の変化に慣れる練習で改善します。
2か月目 — 速度と配分に慣れる
土台ができたら、時間の制約を入れます。
- リーディングはパート単位で時間を区切って解き、後半に時間を残す感覚をつける
- 長文は、設問を先に見てから本文に当たる形も試し、自分に合うほうを決める
- 解けない問題を切り上げる練習をする。1問に粘ると後ろが全部空欄になる
- リスニングは、音声を止めずに通しで解く形に移す
この月で決めておきたいのは、本番で使う順番と、各パートに割く時間の目安です。本番で初めて考えると、必ず後半が足りなくなります。
3か月目 — 本番の形に寄せる
最後の月は、新しい教材を増やさないことが大切です。
- 通しで時間を計る演習を、間隔をあけて数回入れる
- 演習後は、間違いを1か月目と同じ分類で記録し、同じ型の間違いを探す
- 直前は、新しい文法項目より、覚えかけの語彙の詰め直しに回す
- 当日の持ち物と会場までの移動を先に確認し、前日に迷わないようにする
時間が足りなくなる人の共通点
解き終わらない原因は、読む速さよりも判断の遅さにあることが多いものです。わからない問題を前に手が止まり、そこで数十秒を失う。その積み重ねで後半が空欄になります。
対処は単純です。迷ったら印をつけて進み、残り時間で戻る。この動きを演習のうちから体に入れておきます。本番で初めてやろうとしても、迷いが勝ってしまいます。
伸び悩んだときに確認すること
点が動かない時期は誰にでも来ます。そのときは学習量より、内容の偏りを見ます。語彙ばかり進めてリスニングに触れていない、同じ形式の問題だけ解いている、解き直しをせず新しい問題に移り続けている。どれも手応えはあるのに点につながりにくい進め方です。記録を見返すと偏りに気づきやすくなります。
よくある質問
Q. 1日にどれくらいの時間が必要ですか
必要量は現在の力と目標との差によって変わります。長時間を週末にまとめるより、短時間を毎日続けるほうが語彙や音の定着には向くとされています。続けられる長さから始めて、慣れてから増やすのが現実的です。
Q. リスニングとリーディング、どちらを先に強化すべきですか
現状把握の結果で決めます。両方を薄く進めるより、落としている側に時間を多く割くほうが変化が見えやすくなります。ただし触れない期間を作ると戻るため、少量でも毎日両方に触れる形が無難です。
Q. 単語は例文ごと覚えるべきですか
意味だけを覚えると、本番で使われ方がわからず迷いやすくなります。短い例文の中で覚えておくと、聞き取りにも空所補充にも効きます。量が多いときは、まず意味、二周目で例文という進め方もあります。
Q. 模擬演習は何回やればよいですか
回数より間隔が大切です。続けて解くと疲れで実力より低く出ます。数日おきに入れ、その間に間違いの復習を終わらせる形にすると、1回ごとの効果が上がります。
まとめ
- 最初の1週間は測ることに使い、間違いを原因別に分類する
- 1か月目は土台、2か月目は速度と配分、3か月目は本番形式と復習に絞る
- 迷ったら印をつけて進む動きを、演習のうちから習慣にする