機材を買いそろえる前に知っておきたいのが、DTMでつまずく場所です。最初に必要なものを最小限に絞り、短い8小節を完成させるまでの道すじと、途中で挫折しないための練習の順番を整理しました。
音楽を作ってみたいけれど、何から買えばよいかわからない。ソフトを入れたものの、画面の情報が多すぎて、開いただけで閉じてしまった。DTMの入口でつまずく理由は、才能ではなく順番です。
最初にやるべきは、良い機材を揃えることではありません。短くても最後まで通る一曲を作り、完成の感覚を手に入れることです。
この記事でわかること
- 本当に最初から必要な機材と、後でよいもの
- ソフト選びで見るべき点
- 8小節を完成させるまでの具体的な流れ
- 初心者が止まりやすい場所と、その抜け方
こんな人に向いています
- 楽器の経験がほとんどない人
- 何を買えばよいか調べて、疲れてしまった人
- 作りかけのファイルばかり溜まっている人
- スマートフォンでの制作から、本格的な環境へ移りたい人
最初から必要なものは、思ったより少ない
DTMは「パソコン」「制作ソフト」「音を確認する手段」の三つで始められます。
- パソコン:今使っているもので試すのが先。足りなければ後から考える
- 制作ソフト(DAW):無料で使えるものや、機能を絞った入門版がある
- ヘッドホンかイヤホン:まずは手持ちで十分
- 後でよいもの:外部の音源、調音した部屋、高価なマイク
録音したい音があるかどうかが分かれ目です。歌やギターを入れるなら、オーディオインターフェースとマイクが必要になります。打ち込みだけなら、しばらく不要です。
ソフトは「続けられるか」で選ぶ
機能の多さより、自分が操作を覚えられるかが重要です。
- 無料版や体験版で、実際に数日触ってから決める
- 解説している動画や記事が多いものを選ぶ
- 使っている人が周りにいるなら、それに合わせると質問しやすい
- 音を並べる画面の見やすさを比べる
途中で乗り換えても、覚えた考え方は無駄になりません。最初の一本で悩みすぎないことです。
8小節だけ作って、完成させる
長い曲を目指すと、ほぼ途中で止まります。まずは8小節を最後まで仕上げてみましょう。
1. 速さ(テンポ)を決める
2. ドラムのパターンを置く。既成の素材を使ってよい
3. 低音のパートを、ドラムに合わせて置く
4. 和音を置く。鍵盤が弾けなくても、音を一つずつ並べればよい
5. 短い旋律を乗せる
6. 音量のバランスを整える
7. 書き出して、スマートフォンで聴き直す
この流れを一度通せば、全体の地図が頭に入ります。二曲目からは格段に早くなります。
初心者が止まりやすい場所
- 音色選びに時間をかけすぎて、曲が進まない
- 最初から音の加工にこだわり、構成が決まらない
- 8小節以降が思いつかず、同じ部分を作り直し続ける
- 音量を上げすぎて、全部の音が団子になる
対策は「決めてから進む」です。音色は仮のままでよく、構成は紙に書いてから打ち込みます。
おすすめの練習の順番
- 好きな曲の構成を、紙に書き出して分解する
- そのドラムと低音だけを真似して打ち込む
- 自分の旋律に差し替える
- 完成したら書き出して保存し、次の曲へ行く
真似は近道です。ただし、公開する曲は自分の素材と演奏で作り直しましょう。既成の素材には使える範囲の決まりがあります。配布元の条件を必ず確認してください。
音の最終調整に早く進みたくなりますが、優先順位は高くありません。素材の段階で音量と音域が整っていれば、複雑な処理は要りません。むしろ曲の数を増やすほうが、上達は早いとされています。
聴く環境も効いてきます。高価な機材より、同じヘッドホンで聴き続けることが大切です。基準が固定されると、判断がぶれにくくなります。書き出した音を、スマートフォンの小さなスピーカーでも確認する癖をつけましょう。
保存の習慣も忘れずに。作業中のファイルは別名で残し、完成したものは書き出した音とあわせて保管します。原因不明の不具合で作業が消えるのは、続ける気持ちをいちばん削ります。
よくある質問
Q. 楽器が弾けなくても作れますか
作れます。音を一つずつ並べる方法が使えるため、演奏技術は必須ではありません。ただし和音の基礎を少し知ると、作業がぐっと楽になります。
Q. パソコンは新しく買うべきですか
まず手持ちの環境で試してください。音が途切れるなどの不具合が続き、設定を見直しても改善しない段階で検討すれば十分です。
Q. MIDIキーボードは必要ですか
なくても始められます。入力の速さは上がるので、続ける見込みが立ってからの購入でよいでしょう。
Q. 無料のソフトでも曲は完成しますか
完成します。足りない機能が具体的にわかってから有料のものへ移るほうが、選択を間違えにくくなります。
まとめ
- 必要なのはパソコン・制作ソフト・聴く手段の三つから
- 最初の目標は長い曲ではなく、8小節の完成
- 音色や加工より、曲を通し切った回数が上達を決める