仕事や勉強を始めようとして、なんとなく音楽を流す。気づくとサビを口ずさんでいて、手が止まっている。逆に無音だと今度は周囲の物音が気になる。作業用BGMは便利なようでいて、選び方を決めていないと集中の足を引っ張ることがあります。
鍵になるのは曲の良し悪しではありません。どの作業に、どんな性質の音を合わせるか という対応づけです。ここを決めておくと、毎回選ぶ手間もなくなり、音楽が作業開始の合図として働き始めます。
この記事でわかること
- 作業の種類によって向く音が変わる理由
- 歌詞のある曲が邪魔になりやすい場面
- 音量をどのあたりに置くかの目安
- 音楽以外の選択肢としての環境音
- 長時間聞くときに気をつけたいこと
こんな人に向いています
- 在宅で作業していて、集中が続かないと感じている人
- カフェや共有スペースなど、周囲の音が気になる環境で作業する人
- 音楽を流しているのに、かえって作業が進まないと感じている人
- 集中の入口になる習慣を作りたい人
前提として、音への反応には個人差が大きく、無音が最も集中できる人もいます。ここで紹介するのは一般的に語られている傾向であり、最終的には自分で試して判断してください。
作業の種類でBGMを切り替える
同じBGMをすべての作業に使うと、どこかで合わなくなります。作業の性質で分けると選びやすくなります。
- 言葉を扱う作業、つまり文章を書く、読む、翻訳するといった場面では、歌詞のない音が向くとされています
- 単純な繰り返し作業、たとえば入力や整理では、一定のテンポの音が作業のペースを保ちやすい
- 発想を広げたい作業では、多少変化のある音のほうが手が動く人もいます
作業ごとに使う音をあらかじめ決めておくと、選曲の時間が消えます。この時間の削減自体が集中を守ることにつながります。
歌詞がある曲は言語処理とぶつかる
文章を書いているときに歌詞のある曲が入ると、頭の中で言葉が二重になります。
- 母語の歌詞は特に入り込みやすく、思考が途切れやすい
- 外国語の歌詞は意味を追わない分、影響が小さいと感じる人が多いようです
- 歌詞を完全に覚えている曲は、意識せずとも先を予測してしまう
計算や図の作業など、言葉を使わない作業では歌詞の影響は小さくなります。作業内容に応じて使い分けてください。
音量は「思考の邪魔をしない」位置に
音量は大きすぎても小さすぎても集中を削ります。
- 作業中の自分の思考が追える程度に抑えるのが基本です
- 音量を上げないと内容が聞こえない場合、それは集中の対象が音楽に移っている合図です
- 周囲の音を消す目的なら、音量を上げるより音を遮る方法を先に検討する
毎回同じくらいの音量に固定しておくと、体が慣れて意識に上らなくなります。
音楽以外の選択肢を持っておく
音楽そのものが合わないときは、環境音が有力な候補になります。
- 雨や波などの自然音は、変化が少なく意識に残りにくい
- 人の話し声が混じる環境音は、他人の存在を感じて作業が進むという人もいます
- 一定の機械音のような音は、周囲の物音を覆い隠す働きが期待できます
複数の種類を試し、自分にとって「気づいたら聞いていなかった」音を見つけるのが目安になります。
開始の合図として使う
BGMの効果は、集中中よりも開始時に出ることがあります。
- 作業を始めるときに必ず同じ音を流す
- 休憩に入るときは必ず止める
- 一定時間で終わる音源を使い、終わったら区切りにする
手順を固定すると、音が鳴った時点で作業モードに入りやすくなります。とりかかりが重い人ほど、この使い方が役に立ちます。
長時間使うときの注意点
作業用BGMは何時間も流し続けることになりがちです。イヤホンやヘッドホンで大きめの音量を長時間続けると、耳への負担が積み重なるとされています。音量を上げないと聞こえないと感じたときは、まず環境側の騒音を減らすことを検討してください。
定期的に音を止める時間を作るのも有効です。休憩のたびに無音にすると、耳が休まるだけでなく、再開時に音が合図として働きやすくなります。耳鳴りや聞こえにくさなど気になる症状が続く場合は、自己判断せず耳鼻科など専門の医療機関に相談してください。
よくある質問
Q. 好きな曲を流すのはよくないのですか
悪いわけではありませんが、好きな曲ほど意識が向きやすく、作業から気をそらす原因になりやすいと言われています。集中したい場面では、あえて印象の薄い音を選ぶほうが向くことがあります。
Q. 無音のほうが集中できる気がします
それで問題ありません。静かな環境が確保できるなら無音が最も邪魔になりにくい選択です。BGMは、周囲の音を覆いたいときや、作業開始の合図がほしいときの手段と考えてください。
Q. 同じ曲をずっと繰り返すのはどうですか
繰り返しによって音が意識に上らなくなり、集中しやすいと感じる人はいます。一方で飽きて逆効果になる人もいるため、数日試して自分に合うか判断するとよいでしょう。
まとめ
- BGMは曲の良し悪しより、作業の種類との対応づけで選ぶ
- 言葉を扱う作業では歌詞のない音や環境音が邪魔になりにくい
- 音量は思考が追える範囲に固定し、長時間の大音量は避ける