生ゴミを堆肥に変えるコンポスト。挫折の原因は水分と空気と覆いの三点に集約されます。住まいに合う方式の選び方、毎日の手入れ、においと虫の消し方、できた堆肥の使い方までまとめました。
生ゴミの袋を縛るたびに、重くて水っぽくて、申し訳ない気持ちになる。夏場はにおいが気になり、収集日まで置き場所にも困る。そんな負担をまるごと減らせるのがコンポストです。ただ、始めてみたものの「におう」「虫がわく」で物置の奥に片付けてしまう人も多い仕組みでもあります。
つまずく原因は、だいたい水分と空気の二つに絞られます。ここを押さえてしまえば、集合住宅のベランダでも続けられます。この記事では、方式の選び方から日々の手入れ、できた堆肥の使い道までを通して説明します。
この記事でわかること
- 住まいの条件に合った方式の選び方
- 置き場所と立ち上げの手順
- においと虫が出る仕組み、そのつぶし方
- 入れてよいもの、避けたいものの線引き
こんな人に向いています
- ゴミ袋の重さやにおいを減らしたい人
- ベランダしかないが土いじりを始めてみたい人
- 家庭菜園やプランターに使う土を自分で作りたい人
- 一度挫折して、もう一度やり直したい人
方式は置ける場所から決める
器具の性能より、無理なく手が届く場所に置けるかどうかが、続くかどうかを決めます。
- 通気性のあるバッグ型:口を閉じられ、ベランダに向く。軽くて移動しやすい
- 段ボール型:箱と基材だけで始められ、費用を抑えやすい。雨に当たらない場所が前提
- 容器を土に埋める方式:庭がある家向け。手入れの手間は少ない
- 電動の処理機:手間は最小だが、設置場所と電源が必要
迷ったら、まずバッグ型か段ボール型で一巡させてみるのが現実的です。
立ち上げは基材を握って崩れる湿り具合に
基材にはピートモスやもみ殻くん炭、完熟した腐葉土などが使われます。乾きすぎでも湿りすぎでも分解が進みません。
- 握ると形になり、指で押すとほろりと崩れるくらいが目安
- 最初の数日は生ゴミを少なめにし、発酵の立ち上がりを待つ
- 手を入れてほんのり温かくなれば、微生物が働き始めた合図
毎日の手入れは三つだけ
- 生ゴミを細かく刻む。水分は軽く切る
- 中央を掘って入れ、必ず基材で完全に覆う
- 全体を混ぜて空気を入れる
入れる量を増やしすぎると分解が追いつかず、においの原因になります。器の大きさに対して少なめから始め、様子を見て増やすほうが失敗しません。
においと虫は原因が決まっている
不調のサインは、ほぼ次のどれかに当てはまります。
- 酸っぱい、腐ったにおい:水分が多いか空気が足りない。乾いた基材を足してよく混ぜる
- アンモニアのようなにおい:窒素分が多すぎる。肉や魚、残飯を減らして落ち葉や紙を足す
- 小さな虫が飛ぶ:生ゴミが表面に出ている。覆いを徹底し、ネットやふたを使う
- まったく分解されない:気温が低い時期は働きが鈍る。米ぬかを少量足して様子を見る
入れるものの線引き
- 向くもの:野菜くず、果物の皮、茶がら、ごはんの残り、砕いた卵の殻
- 控えたいもの:大量の油、腐った肉や魚、貝殻や大きな骨、薬品のついたもの
- 迷うもの:かんきつ類の皮と玉ねぎの外皮は分解が遅め。細かく刻んで少量ずつ
できた堆肥は寝かせてから使う
生ゴミの形が見えなくなり、土のにおいに変われば仕上げの段階です。ここで数週間ほど休ませてから使うのが一般的とされています。分解が途中の堆肥をそのまま根の近くに入れると、植物が傷むことがあります。
- 新しい生ゴミの投入を止め、ときどき混ぜて寝かせる
- 使うときは土に混ぜ込み、全体の一部にとどめる
- 使い切れない分は袋に入れ、乾かしすぎない場所で保管する
集合住宅での気配り
ベランダは隣の住戸と空気がつながっています。ふたのない容器を風の通り道に置くと、思わぬ苦情のもとになります。
- 排水口やエアコンの室外機の前を避ける
- 雨が吹き込む位置を避け、雨よけを用意する
- 共用部分の使い方は、管理規約の範囲を先に確かめる
よくある質問
Q. 旅行で一週間ほど家を空けます
出発前に生ゴミの投入を止め、よく混ぜて口を閉じておけば問題になりにくいとされています。暑い時期は、雨と直射日光を避けられる場所に移しておくと安心です。
Q. 冬はまったく減りません
低温で微生物の働きが落ちるためです。入れる量を減らし、刻みを細かくして、日の当たる時間帯に置き場所を移すなどで様子を見ます。春になると動きが戻ることが多いものです。
Q. 家の中でもできますか
通気と覆いを守れる方式なら、室内で続けている人もいます。水分の管理が甘くなるとにおいが部屋にこもるため、最初はベランダや玄関先で慣れてから移すほうが無理がありません。
まとめ
- 器具より置き場所から決める。続けられる方式がいちばん良い方式
- 不調の原因は水分と空気と覆い。この三点を点検すれば大半は戻る
- 仕上がった堆肥は寝かせてから、土の一部として使う