災害時は電話がつながりにくくなります。連絡手段と集合場所を決めていないと、安否確認だけで一日が終わります。事前に決めておく四つのこと、複数の連絡手段、紙の備えを整理しました。
大きな地震のあと、家族に電話をかけ続けたがつながらない。位置もわからず、迎えに行くべきか迷う。災害時の不安の多くは、この「連絡がつかない時間」から生まれます。避けるには、起きてから考えるのではなく、先に決めておくことが必要です。
この記事でわかること
- 災害時に電話がつながりにくくなる理由
- 家族で事前に決めておく四つのこと
- 連絡手段を複数用意する考え方
- 電池が切れた前提で用意する紙の備え
つながりにくくなるのは故障とは限らない
災害の直後は、同じ地域から一斉に発信が集中します。設備が無事でも回線が混み合い、音声通話がつながりにくくなることがあります。設備そのものが被害を受ける場合や、停電で使えなくなる場合もあります。
一方で、文字のやり取りは比較的通ることがあるとされています。ただしこれも状況によって変わります。だからこそ「これがあれば大丈夫」という一本に頼らず、複数の手段を用意しておく考え方が基本になります。
事前に決めておく四つのこと
当日の判断を減らすために、平常時に決めておきます。家族全員が同じ内容を知っていることが前提です。
- 集合場所を第一と第二の二か所決める
- 連絡の中継役を決める(離れて暮らす親族など)
- 連絡が取れないときの行動ルールを決める
- それぞれの職場や学校の避難先を共有しておく
中継役を遠方の親族にしておくと、同じ地域内では通じにくいときでも、外側を経由して情報が回ることがあります。「つながらなければ、まず祖父母に連絡する」と全員で決めておくだけで動きが揃います。
無理に迎えに行かない、という取り決めも重要です。移動中の危険や、すれ違いを避けるためです。
連絡手段は複数用意する
一つの方法に頼らないことが要点です。使えるものから使う、と考えます。
- 音声通話に加えて、文字のやり取りを併用する
- 携帯各社や公的機関が提供する災害時の伝言サービスを確認しておく
- メッセージアプリの位置情報共有や、無事を知らせる機能
- 公衆電話、職場や学校の連絡網
サービスの内容や利用できる条件は、災害の規模や時期によって変わります。実際に使えるかどうかは、そのときの公式の発表で確認するのが確実です。事前にどこを見るかだけ決めておいてください。
紙の備えを軽く見ない
スマートフォンが使えない前提でも動けるようにします。
- 家族の連絡先を書いた紙を複数枚、別々の場所に
- 中継役の住所と連絡先
- 集合場所を書き込んだ地図
- 本人確認書類の写し
番号を端末に任せていると、電池が切れた時点で連絡手段を失います。財布、カバン、非常持ち出し袋と、分散して入れておくのが安心です。
電池と情報の確保
- モバイルバッテリーと、乾電池式の充電器
- 省電力設定の使い方を覚えておく
- 電池式のラジオ
- 自治体の防災情報の受け取り方を登録しておく
連絡がつかない時間は、情報が入るかどうかで不安の大きさが変わります。
年に一度は実際に試す
決めただけでは当日使えません。年に一度、家族で試す日を作ります。防災の日や、家族の記念日など覚えやすい日でかまいません。
- 伝言サービスに実際に登録して、家族が読めるか確かめる
- 集合場所まで実際に歩いてみる
- 連絡先を書いた紙が古くなっていないか見直す
一度やってみると、操作のつまずきや、集合場所の想定違いに気づけます。子どもがいる家庭では、子ども自身が使えるかどうかの確認が特に大切です。
よくある質問
Q. 子どもに携帯電話を持たせていません
連絡先を書いたカードを持たせる方法があります。あわせて、学校や園の引き渡しのルールを事前に確認しておくと、迎えに行く判断で迷いません。
Q. 高齢の親が離れて暮らしています
本人と直接つながらない場合に備え、近所の方や親族など別の経路を作っておくと安心です。自治体によって見守りの取り組みがある場合もあるとされています。地域の窓口に相談してみてください。
Q. 交流サイトで見た情報は信じてよいですか
災害時は誤った情報も広がります。避難や安全に関わる内容は、自治体や公的機関の発表で確認してから動くのが基本です。
まとめ
安否確認は、当日の工夫より事前の取り決めで決まります。集合場所を二か所、中継役、行動ルール、複数の連絡手段。そして電池が切れた前提の紙の備え。年に一度試して更新してください。具体的なサービスの内容や避難先は地域で異なるため、最終的にはお住まいの自治体や公的機関の案内を確認してください。